以前、飲食店に勤務する知り合いへ
むくみにオススメと言って、とうもろこしのひげのお茶を差し入れしたところ
仕事の合間に飲んだら…
忙しいのに何度もトイレに行くことになって大変だったヨ!
と言われました…
何だか悪いことをしてしまったなぁと同時に、そんなに即効性があるんだ…と驚きました。
今回は湿邪に関する話題です。
今は梅雨の真っ只中ですが、
薬膳の本場中国では雨の多い時期を「長夏」といいます。
実は、長夏というのは日本と少し時期がずれています。
黄河流域では、夏の終わりから初秋の大暑、立秋、処暑、白露の4つの節気間を一番雨の降る時期で長夏と呼びます。
なので、
日本では
春→梅雨→夏→秋→冬ですが、
中国の黄河流域では
春→夏→長夏(梅雨)→秋→冬となる訳ですね。
中国はとても広い国で、それぞれの地域によって若干気候も異なるのです。
ちなみに、二十四節気というのは、中原地方(黄河と長江の間の地域。河南省、湖北省、安徽省など)で戦国時代に成立したものなので、日本の季節感とほんの少しずれていることがあります。
中国の戦国時代といえば、キングダム が話題ですが、もっと前の周の時代あたりと云われています。
一方、中国の長江から日本にかけては、6~7月頃降り続く長雨を梅雨といいます。
元々、長江の中・下流域は湿潤地域で、一年中雨が多いようです。
六気のひとつ、「湿」は、自然界に存在しているものですが、人間の体内に侵入し、悪い影響があると六淫となり「湿邪」となります。
湿邪の代表的な特徴は、
■陰の性質があり、陽気を傷つける。
■重濁性により重い症状を引き起こす。体が重い、倦怠感、頭痛、湿疹、症状が長引いて治りにくいなど。
■湿気は重く、下に集まるので下痢、おりもの、下肢のむくみなど下半身に影響が出る事が多い。
などがあります。
黄河流域、中原地域、長江流域は降水量の多い地域だそうです。四川省あたりは湿気を発散する激辛料理が有名ですね。
辛い料理を食べ過ぎると、他の臓器に影響があるので適度に食べると良いのですが…
実は、現在世界中で問題になっているアノ感染症は、湿邪が影響していると中医師の方々は言っておられます。
重症化するかしないかの要素のひとつに、「陽虚(体内の陽が不足している)」と云われているようです。
このあたりの詳しい話は、
本草薬膳学院の教科書のひとつを出版している東洋学術出版社のサイト『中医臨床』プラスのページに、実際に治療に当たった医師の体験談が多数掲載されています。
私の考えでは肺炎といえば、乾燥が影響して炎症を起こしているものだろうと思いこんでいたので、梅雨時期になれば落ち着くだろうと考えておりましたが、
一時は落ち着いていたのに、東京で新規感染者がここ3日連続で100人を超えたと報道があり
えー!?一体どうなっているの?
と驚きました。
重い倦怠感とか
治ったのにまた感染したとか
下痢の症状がある人もいるとか
などは湿邪の特徴であると納得。
子供は陽の気が盛んだが、
(赤ちゃんは陽のかたまりともいう)
高齢者は陽も陰も両方不足していくことを考慮すると
重症化するかどうかのポイントは陽気を保つことなのかな?とも考えられます。
夜の仕事の方に感染者が多いというのは偏った報道だろうと思っていたが、
昼夜逆転生活をしていると太陽の光に当たる時間が短いからなのか…?
日本も湿気が多いけれど、他の国に比べたらなぜ比較的少ないのか…?
緑茶の苦味の性質に燥湿(湿気を乾燥させる)の作用があるからなのか…?
ただ、このウイルスに関してはまだよく原因がハッキリしていない事が多いので、とても複雑なんだろうと思います。
長くなるので、湿邪と例のアノ感染症についての詳しい話はまた次回書きます。
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